ひかると雅が話さなくなってから一週間がたった。


「みやび、どうした?」


雅を呼んだのは隼人だった。


「ううん、なんでもないの」


正直、雅は心に穴が空いたような気持ちになっている。


「なんでもないって、最近ずっと元気ないじゃん? 南もそう思うだろ?」

結衣と隼人は雅をずっと心配している。
ただその気持ちに答えるように雅は少しでも元気でいようと心みてはいた。


だが、ひかると話せなくなってからの雅は、言葉に生気がない。


「隼人、あんたの彼女でしょ? しっかり寄り添ってあげなさいよ!」


あの後、雅は心の穴を埋めるかのように隼人の告白をOKした。


「んなこと言ってもさあ…」




「だ、大丈夫。ちゃんと元気だから!」


雅は心配させまいと嘘をつく。


「雅、ほんとに俺と付き合ってていいのか? お前ひかるのことが好きなんだろ?」


隼人は雅がひかるを好きだということは、もう知っていた。だから雅が告白OKの返事をしてきたときはびっくりしていた。


「あのあと、ひかるくんの友達にね、聞いたんだ……」


「ん、なにを?」


隼人と結衣は2人で声を揃えて聞いた。


「ひかるくんの元カノのこと…」


「あー!そういえば王子彼女がいたんだよね?」


結衣は雅に、ひかるに元カノがいた事を聞いていたから知っていた。


「うん。」


暗く元気のない声で雅が返事をした。


「それで、その元カノの話がどうしたの?」


と、結衣が聞くと…


「実は、ひかる君の元カノは病気で亡くなったんだけど、その事について詳しく聞いたんだ…。こういうこと、聞かないほうがいいかなって思ったんだけど、どうしても気になって…」


雅は2人に話を続けた。



「えっとね…」