10時半……

「変…じゃないよね?」

待ち合わせ場所で待ってる私には不安しかなかった。

[夏鈴。それ、恋だよ!]

『千秋があんなこと言うから...』



そう思っていると、人だかりがこっちに向かってきた。

「夏鈴っ。わりぃー遅くなった。」

「相変わらずだね。」

私のなかに何かモヤっとした気持ちが出てきたけど、それをかき消すように楽しんだ。








「そろそろ帰らないとね。そういえば、話って...何?」

「お前って。好きなやつとか…いんの?」

「何?急に...。」

「いや、お前ってそう言うこと言わないし…。」

私は急に胸が高鳴った。

「そんなの...いないよ。」

「ふぅん。」

その帰り道はなんだかぎこちなかった。