いつものように学校に行くと...

「よぉ。」そう言って私の頭を叩いたのは冬馬だった。

「冬馬、おはよ。」私も冬馬の頭を叩いてやろうと思ったけど、届かなくて仕方なく背中を叩いた。

「いってぇなぁー。」
背中をおさえてる冬馬の横に隼人が来た。

「相変わらずの犬猿の仲だな、冬馬と夏鈴。」そう言ってあくびをする隼人。


そこに急いで走ってくる女の子がいた。

「ちょっと〜。置いてかないでよぉ。」そう言って私の鞄をつかむのは私の親友の千秋。千秋は隼人と幼なじみ。


「夏鈴までうちを置いてくとは思ってなかったなぁ。まったく。」
千秋はほっぺを膨らませて怒っていた。

「ごめん、千秋。」
顔の前で手を合わせて謝った。

「まぁ、いいけどねっ!」
ニコッと笑う千秋。

千秋は学年でも注目されているぐらい可愛くて性格も良くて、男女問わず人気があった。

隼人も、クールな性格で女子から人気があった。私のいるグループはいわゆる人気スリートップと言うところだ。

「そういえば、昨日昇降口に手紙が落ちてたって噂が回ってたけど、誰が見た?」と千秋が言うと同時に、冬馬が目で私に訴えてくるのがわかった。

「あぁ。落ちてたよね。」冬馬の訴えにスルーしながら答えた。

「告白とかかなぁ?」
ワクワクした顔で千秋は話していて、だんだん笑えてきてしまった。

「告白かは憶測だろ?」
反抗して冬馬が話に入ってきた。

「そうだけど...今どき手紙ってなったら告白以外ないでしょ。」と有無も言わせない千秋の正論に言葉が出てこない冬馬を見て

「そういえば、駅前に新しいパンケーキ屋が出来たんだって。千秋今日一緒に行く?」


『これ以上聞きたくない』
そう思い話をそらしてしまった。


「行くっ!今日は女子会しよー!」
千秋はスキップしながら教室に入っていった。

「私も教室行かなきゃ。」
そう言って、教室に行こうと思った時...


「なぁ。明日の土曜日予定ある?」冬馬が私の肩を叩いて言った。

「別に無いけど、なんで?」
私が疑問に思っていると…

「じゃあ、10時半に駅前な。」そう言って、早々と教室に入っていった。

「ちょっ.....どういうこと?」
隼人を見ると...

何も無かったかのように教室に入っていった。


その日の授業は一日中考え事をするハメになった。

疑問に思いながら、パンケーキ屋さんに千秋と行った。

「ねぇ夏鈴。私手紙の持ち主検討がつくの。」
いきなり千秋が私に言ってきた。

「ちょっと待って。どういうこと?」
私は今日の冬馬の事とで、頭は混乱中だった。

「私、冬馬が夏鈴宛だと思うの。」
ニヤニヤしながら私を見た。

私はあまりの唐突な答えに対して何も言葉が出てこなかった。

「ちょっ、夏鈴聞いてる?」

「わ、私なわけないじゃん。そもそも、冬馬って...私のことなんて腐れ縁としか...」

「夏鈴は腐れ縁としか思ってないの?冬馬の事。」と私をじっと見る千秋に私は戸惑った。

「なんて言うか、冬馬は幼なじみだから、その...男子っていうか.....」
返答に困っていると、千秋が...

「夏鈴は、冬馬が誰かに告白しようとしてるってわかった時、どう思ったの?」

「私、近くにいたのに知らなかった…って。」
そう言った、私の答えに千秋は笑顔を見せた。

「夏鈴。それ、恋だよ!」

「そんなわけないじゃん。幼なじみの私なんて絶対ありえない。」

「夏鈴は〜。幼なじみって言ったって男子なんだよ。」

「そう言われても...」


2人の女子会は終わり、私は1人考え事をしながら家に帰った。


『冬馬が私のこと...』