初めて見た。


白い封筒に “読んでください”




と書かれた手紙。



「これ...誰のだろう。」そう呟きながら、下駄箱に落ちていた手紙を拾った。

封筒には名前も書いてない。

「もしかして...ラブレター...??」

そう言った時、後ろからとてつもないスピードで走って、手紙を奪われた。

思わずびっくりして叫んでしまった。

「ちょっと静かにしろよ。」そういった彼は真っ赤な顔を必死に隠そうとしてる。

「これ...冬馬の...?」見慣れた顔に思わず言葉が詰まった。

「なんだよ、夏鈴。」真っ赤な顔がだんだん普通になる。


冬馬は小さい時から一緒で、いわゆる幼なじみで、高校も同じ高校で私には腐れ縁としか思えない...

「冬馬がこの手紙の持ち主...。っ!!まさかあんた誰かにこ……」言おうと思った言葉は冬馬の手でかき消された。

「だから、うるせぇって...」そう言って、手を離した。

『冬馬が告白ねぇ〜』そう思いながら

「頑張って〜」と笑いながら私は帰った。