俺は後悔した。そばで笑ってる夏鈴の笑顔が見れればそれでよかったのに……

抑えてる気持ちが溢れて、これ以上幼なじみで居ることが耐えきれなかった。


『誰か男子がアイツに告白したら?』

『アイツがもし俺じゃない誰かと付き合ったら?』

そう考えただけで胸が痛くなった。

この辛い恋から逃げたかっただけかもしれない……。でも、後悔することだけは嫌だった。

俺が伝えた事でアイツは俺のことだけじゃなくいつもの4人でいる空間のことまで考えて、きっと苦しむ...わかってたのに……



「何してんだよ。俺は。」
ボソッとつぶやいて頭をかいた。


「まぁ。伝えないっていう選択肢はもっと後悔してただろうな。きっと。」

そう言って、俺の横に隼人が座った。

「……だろうな……」
ため息をつきながら窓から外を見た。

「これからはもう夏鈴の気持ちがどうとかは本人しかわからないんだろ?なら、待ってるしかないんじゃない?」


「待ってる...か。」


雲ひとつない空を見て、なんだか無性に苛立った。俺の心が曇り空のようだと言ってるみたいで……


「俺……素直に伝えてみようかな。」


「えっ?...」
隼人はすごく驚いていたが、すぐ笑って、

「お前らしいな。まぁ、頑張れ。」

そう言って、隼人は教室に戻っていった。



隼人が教室に戻っていってからすこし目を閉じて考えてみた。



[後悔することだけはするな。]




隼人のその言葉が当てはまりすぎて笑ってしまった。






「俺らしい……か。」



俺はすこし苦笑いして教室に戻った。