「えへへ~、不意打ち成功~」



振り向いても何も用がなければ蒼ちゃんはまたパソコンに向き合ってしまうと思って、一瞬で満足できるものを……とあたしが仕掛けたのは、キス。


振り向いた瞬間に、ばっちり蒼ちゃんの唇を奪ってやったのだ。


ただそれだけのことだったけれど、今のあたしには凄く満足で。



「仕事の邪魔をしてごめんね。でももうちょっかいかけないから安心してね」



そのまま飲み物でも飲もうかなーとキッチンへ行こうとしたあたしの手を掴んだ蒼ちゃん。



「え、何?」


「そりゃないだろ?」


「え?」