一番星シリーズ~おまけSS

「下着が透けて丸見えどころか、身体のラインまでくっきり浮かばせてたのに、そんな格好で圭介に抱き寄せられてる姿を見たときは、もう嫉妬で狂いそうだった」


「それって……」



あたしがまだ圭ちゃんと付き合っていて、誕生日に海へ来たときの話だよね?


突然の豪雨に、全身がびしょ濡れになって蒼ちゃんが迎えに来てくれたとき。



「俺、あのとき必死に平静を装ってたけど、本当は嫉妬心でいっぱいだったんだよ」


「……そんな風には見えなかった」


「はは、必死に抑えてたからな」



あのときのあたしは突然の蒼ちゃんの登場に、圭ちゃんとデートしているということを忘れそうになるくらいに、どきどきと胸を高鳴らせていた。


あたしの方を見てくれただけで、『すず』って名前を読んでくれただけで、心が躍るほどに嬉しかったんだ。