一番星シリーズ~おまけSS

熱くなった頬を隠すようにまた優太の胸に顔を埋めると、優太はまたぎゅっと抱き締めてくれる。


こうやってただくっついているだけなのに、あったかいと同時に心も満たされるなって思ってしまう。


優太が傍にいるだけで幸せだもんね。


けれど、ふと思う。


今日はわざわざ海を見に来たのに、こんな風に抱き合っているだけって……海じゃなくてよかったんじゃないの!?


頬の熱が冷めてきたから、優太の胸に手を添えてそっと押す。



「絢華?」


「歩こう?」


「ああ、そうだな」



優太はあたしの手を取って指を絡めながら繋ぐと、ゆっくりと波打ち際を歩いていく。