一番星シリーズ~おまけSS

「でも、優太が風邪引いたら大変だよ。あたしとは違ってあと数日で社会人なんだよ」


「はは、そうだな」



優太は何も気にしていないようにそう言って笑っているけれど、本当に風邪を引いたら大変じゃない?


入社式から休むことになったりしたらどうするの?


そう思うと申し訳なくて、かけてもらった上着を脱ごうとする。


そんなあたしの手を掴んだ優太。



「じゃあさ、絢華が俺を温めてくれよ」


「え」



優太の言う『温める』がどういうことなのかわからなくて首を傾げる。


そんなあたしを見て優太はふっと笑った。



「こうやって温めてくれれば、俺は風邪なんて引かねーよ」