一番星シリーズ~おまけSS

そのまま手を繋いで波打ち際をゆっくりと歩く。


潮風はとても気持ちがいいけれど、まだまだ冬の気配も残っているからか、少し肌寒く感じてしまって。


ぶるっと震えてしまった。


そんなあたしを優太が見逃すわけがなくて。



「どうした? さみぃ?」


「え? あ、うん。少し……」



『行きたい』と言ったのに、防寒具を何一つ持ってきていないという馬鹿なあたしに、優太は自分の上着を脱いでかけてくれたけれど。



「優太が風邪引いちゃう!」


「いや、大丈夫。俺は絢華とは違って鍛えてるからな」



にやりと笑ってそう言う優太。


確かに毎日走って筋トレしているのは知っている。


けれど、それとこれは別じゃない?