そしてそのまま唇も離れていったからほっと息をつく。
それでも至近距離でモグモグと口を動かしているのを見ていると、それはあたしの口の中にあったものなんだよなぁ……と気づいて、治まってきていた頬の熱がまたじわりじわりと上がっていく。
蒼ちゃんはそれをごくんっと飲み込むと、あたしに視線を合わせてやさしく瞳を細めた。
その表情がまたかっこよくて。
「うまかった。すずは?」
「え」
「すずも、うまかった?」
咥内にあったポッキーを全て蒼ちゃんが持っていった訳じゃないからあたしだって食べているはずなのに、蒼ちゃんの仕草に合わせるのに精一杯で。
「味が、しなかった」
「は?」
それでも至近距離でモグモグと口を動かしているのを見ていると、それはあたしの口の中にあったものなんだよなぁ……と気づいて、治まってきていた頬の熱がまたじわりじわりと上がっていく。
蒼ちゃんはそれをごくんっと飲み込むと、あたしに視線を合わせてやさしく瞳を細めた。
その表情がまたかっこよくて。
「うまかった。すずは?」
「え」
「すずも、うまかった?」
咥内にあったポッキーを全て蒼ちゃんが持っていった訳じゃないからあたしだって食べているはずなのに、蒼ちゃんの仕草に合わせるのに精一杯で。
「味が、しなかった」
「は?」



