「だから一緒に食べようと思って!」



ポッキーの箱の開け口をぺりぺりと剥がしながらそう言って中の袋を取り出す。



「はい」



その袋も開いて蒼ちゃんに袋ごと差し出すと、蒼ちゃんはその中に指を突っ込んで一本取り出した。



「いちご?」


「うん!」



ポッキーはどんな味でも好きなんだけど、特にいちご味がお気に入り。


それをじっと見つめている蒼ちゃんを横目で見ながら、あたしも一本取り出して口に運ぼうとしたら隣から飛んできた声。



「なあ」


「え」



口の中に入れる寸前で手を止めて蒼ちゃんを見上げる。



「ポッキーの日なんだろ?」


「うん」


「じゃあ、こうしよう」


「え」



意味がわからず首を傾げるあたしに蒼ちゃんはふっと笑う。