森山君? 教室の中に入ってきたのは森山君だった。 「杉本?」 私の顔を見て目を丸くして驚いている。 どうしよう? こんな姿、見られたくなかったよ。 私は気づかれないように顔をパッと下に向けた。 「どうしたんだよ?杉本」 森山君が私の直ぐ側までやって来るのが分かった。 目、腫れてないかな? 泣いてるのバレバレだよね。 私は涙で濡れた頬を制服の袖口でサッと拭くと顔を上げた。