私は、朝比奈 アリア(あさひな ありあ) 星風（せいふう)高校に通っている高校１年生。
入学式を終えてから、特に嫌なことは無い。

だけど、一つを除いては。

「みんなー！あれやるよー！！じゃあ、男子からひいていってねー！」

これだ。このクラスには、私が風邪で学校を休んだ昨日、変な行事ができたみたい。

男女の中を深めるとか言って(仮)の交際をするこれが、恒例行事おかしい響き。

「えー。一ノ瀬君がよかったなー。」

一ノ瀬静(いちのせ しずか)女子が必死になるくらいの人気なのかな。

「次は、朝比奈さんね。」

ついに私の番が来てしまった。

「うっ、うん。」

普通の生活が送りたいのに変なやつが彼氏(仮)になったら1年間持つのかな。なんて思いながら恐る恐るくじを引いた。

「えっ...。」

あー。やばい。変なの当たったかも。いきなりみんながザワザワしだした。

「いっ一ノ瀬君...！」

「一ノ瀬...？」

うっかり、声を漏らしてしまった。もう入学してきてから日も経っているし。

名前は知らないこともない。けど、顔が思い出せない。

「何？呼んだ？」

（なんだか、後ろを向けない。まず勇気がない。）

女子の目が突き刺さるほど私が引いたくじはなかなかの大物だったらしい。

「えっと、アサヒナさんだな。」

そういって、にっこり笑うと女子のが歓声を上げるのが聞こえた。

彼が、一ノ瀬...君なんだろう。

女の子の肌ではないのかと思ってしまうほど透き通った肌に、日本人離れした顔立ちに高い鼻。日本人で外国の血が混ざっている私よりも鼻が高い人は初めて見たかもしれない。

「まぁ、今日からよろしく。」

まるで、新しい友達ができた。そんなノリでいいものなのだろうか。

「よっよろしく。」

みんなが、驚愕するのはごもっともだ。
私と、一ノ瀬君とでは住む世界は次元が違うと言ってもいいほど違いすぎる。

彼氏とか以前の問題で、私には友達と呼べる友達もいないのに、ましてやいきなり彼氏はなんともおかしな話だ。