ピアノかな? その音に引き込まれるように『第2音楽室』へと歩いた。
そして近づくにつれ、大きくなる音色に翻弄される。この曲はなんだろう、優しい音色。
私は音楽室に入るのは、邪魔するようで嫌で準備室へと足を進めた。
ここなら、特等席で聴ける。
少しホコリのせいか、空気が濁っているようだが、それは我慢だ 。
私は音を立てないように、音楽室へと続くドアの前に行くとしゃがみこみ、誰が弾いているか知らない、柔らかく語り掛けるような音色に惹き込まれて行った。
それからというものの、私は毎日の様に準備室へ通い、必ずと言ってもいいほどピアノを弾きに来る誰かの音色を聴く。
そんな日が続き、唯ちゃんにその話をすれば〝誰か知らないんでしょ? なら手紙でも置いてみたら? 反応あるかもよ? 〟とのアドバイスを受けた。

