『 なんだよ。珍しいな 』
俺は掛かってきた通話に出れば、鞄から楽譜を取り出して、譜面台へと立て掛けながら言う。
「 今日は唯が忙しくて先帰っちゃったんだよ。明日が終われば夏休みだっつーのに! 予定立てたかったァァ」
『 んだよ、それを言いにかけてきたのかよ……って明後日から夏休み?! 』
「ティーチャーが言ってたぞ〜? 明日終業式で早帰りだーって、そして明日も唯と帰れない!! 桜子ちゃんとデート何だってよォ」
なんだって……?!
そんなの聞いてねぇよ。まぁ、まだ明日あるし今から手紙で連絡先を聞けばいい。
ふと、ピアノの彼女からの手紙を手に取る。
封筒の裏には、『 明後日から夏休みですね! 私明日は用事があるので音楽室には来れません。では、いい夏休みを過ごしてくださいね 』といつも通り綺麗な字で書かれていた。

