「 いやいやいや。九条サンは、確かに素敵な人だし優しいピアノを弾く人で、気になるけど。九条サンのピアノが好きなの。九条サンじゃないと思う……し、猛先輩はっ……」
気まづい雰囲気のまま、そして更に爆弾発言をして別れたあの日から会うこともないし、話すなんてもっと無い。
別にしょっちゅう連絡を取るような関係でもないし、まず連絡先も知らないし……。
「 なになに。体育祭の後何かあったの? 」
「少し気まづくなっちゃったんだよね。まぁ、もう、とにかくどっちも有り得ないよ! ほら勉強再開しよ? 」
心配そうに私を見つめる唯ちゃんは、私の言葉に素直に従い真面目に勉強していた。
変わって私は全く捗らない。
なんで、こんなにも気になるんだろう。
多分、九条サンと雰囲気が似てるから気になるだけだ。
だから、気まづくなって、もう話すこともなくなって、存在さえ忘れられてしまうって言うのがとても怖いんだ。

