ピアノの蓋を開けると白い封筒があり、口元に笑が宿る。そして俺が残したメモも消えている。
『 毎日聴きに来ています。私は、ピアノに特別詳しいというわけじゃありません。ただ、九条サンの弾くピアノが好きなだけです。
綺麗な音色をありがとうございます ❀』
俺が書いたメモには〝毎日来てくれてるのか。ピアノに詳しいのか〟と質問した。それにまた綺麗な字で答えてくれる 。
それにまた口元が緩む。
「 じゃあ今日も…… 」
俺は椅子に座るとキーカバーを外し、譜面台に置けば、鍵盤に指を乗せた。
――――君の事がもっと知りたい……。
〝君の好きな食べ物は、なんですか? 〟
そのメモを残して、俺は音楽室を後にした。

