『珈琲と、ハートの女王様のクッキー注文入ったよ〜! 』
「「りょうか~い」」
アリスカフェはコスプレ喫茶なだけあって、人気があって行列が出来ている。
「桜子男子の視線独り占め♡」
『やめてよっ唯ちゃん! この衣装いけないんだようっ』
耳元で急に唯ちゃんから囁かれ、〝ひぃいっ〟と肩を揺らす。
『唯ちゃんだって、鼻血出して保健室に運ばれた人を接客したんでしょ? 』
「あは、あはは〜。それはたまたまだって! ウィンクしたら鼻血出しちゃったんだよ! 」
先程唯ちゃんが接客していた、男性のお客さん……お気の毒に……。
「あれ、なんかガラ悪いの入って来た」
唯ちゃんが教室の出入口を見ると、明らかにチャラ男です、というような男子達が入って来て唯ちゃんの顔は強ばった。
『出来るだけあの人達の接客は男子に頼もうっ』
〝怖い顔しないしないっ〟と唯ちゃんを宥める。
「そうだね。もうそろそろ、来るだろうし」
『ん? 誰か来るの? 』
「いや? 何でもないよ〜」
ポツリと呟いた唯ちゃんの言葉に、キョトンと首をかしげつつも、例のお客さんの様子を伺いつつ、注文を取りに行った。

