変わらず可愛らしい彼女を見ていて、自然と頬が緩む。
彼女は、消しゴムが落ちたのか取ろうと手を伸ばしていると隣の席に座る男子が代わりに取ったらしく、ふんわりと優しい笑みを向けられた男子は照れた様に笑っていた。
「猛〜? 顔怖いぞ〜? 」
『そんな事ない』
俺は顔すら合わせてもらえないのに……。
前に書いてある文章を軽くメモし、彼女の方へ視線を戻してみると、彼女はチラっと俺の方を見て、切なそうに微笑むと前を向き直す。
俺があんな顔をさせているのだろうか……。
あの顔が脳に焼き付いて、浮かび上がる度にズキンと胸が痛む。
彼女に何かしたのか心当たりが無くて、わからない自分にムカつく。
とりあえず、様子を見るか。
その後、実行委員の集まりは終わった。
1週間後にまで、何をやるか詳細を生徒会に報告する事。
その後はすぐに準備に取り掛かれという事だ。
めんどくさいが、名取川サンの様子を伺うきっかけになる。
まぁでも、ピアノの彼女からの連絡のを待つ方が手っ取り早いかもしれない。
これからどう動こうか、考えながら教室へと戻った。