――


第3会議室が文化祭実行委員の集まり場になるらしい。


各クラスの生徒が続々とやってくる。


その中には、名取川サンと橋本サンもいた。
名取川サンをジッと見るが、目が合う様子はない。


俺に気づいてない……?


橋本サンが俺たちに気づいたのか、名取川サンに話し掛けているようだ。

彼女は苦笑いをして俺のほうを見ることも無く、実行委員長の方へと視線をやる。



「猛、桜子ちゃんになんかしたの? 」


『俺はなんもした覚えない』


「本当にピアノの子で、猛だって事を知ってるから気まづかったりしてな? 」


『そーだったらどんなにいいか』


真面目な様子でメモを書き留める、名取川サンを横目に見る。