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結局、あの子と会えなかった。
俺は適当に菓子パンを頬張りながら、そんなことを思う。
台風の時期が去って秋晴れが気持ちいい。
だが、俺の心は曇ったままである。
昼休み、前には昌が俺をジーッと見つめてきている。
『んだよ。俺になんか付いてるか? 』
「浮かねェ顔してっから、ピアノの彼女と何かあったのかなってな」
『別に何もなかったよ。ただ会えなかっただけ』
俺が下を俯き言うと、昌は残念そうに俺を見た。
「何かトラブルでもあったのか? 」
焼きそばパンをバクバクと食べると、心配そうに問い掛けてくる。
『手紙を渡された』
俺は昌の前に手紙を出して、コンクールの事を話した。

