今日いつもの場所で[加筆修正中]





こんなにも、彼に思われる貴女が羨ましい。

私の方が早く狙っていたのに、それを掻っ攫っていく彼女が憎くて、同時に彼女には勝てないと悟った。



だから最後の悪足掻きだ。



『もう、九条君の事は諦めるから。安心して』



「それはよかったです。野田先生にはもっといい方がいらっしゃいますよ」


九条君は、苦笑いを零しながら優しく言葉をかけてくれた。


「じゃあ、戻りましょう。まだコンクールは終わっていません」




彼は私の方へと振り向かずに歩いてく。

その姿は凛としていて、音楽に愛された者はこんなにも綺麗なんだと実感した。