横目に走り去る彼女を見て、私は心の中で嘲笑う。
教師あるまじき行動かもしれないけど、私の計画は名取川サンによって、崩されたの。
これぐらいの制裁なんてこと無いわよね。
あの有名な九条家の息子が入って来るのが、分かったのは入学式の1週間前だった。
私はまだ新米の教師で、この学校がはじめて教師としての職場だった。
入学して来て、思ったより背の低い男の子だったけど私よりは背が高かったから良しとしたわ。
顔立ちは普通の男よりは良くて、イケメンというかカワイイ系のイケメンだった。
音楽の授業や、合唱祭で彼のピアノの腕前は素晴らしいものだった。
あの九条家の嫁に入れば、私が諦めていたヴァイオリンを認めてくれるかもしれない。

