この滑らかで、優しい響き。私はこの音色に幾度と無く癒された。
全然気にならなかった、先生の姿が曲を聴き入るうちに意識する。
とても綺麗。猛先輩との演奏に合ってる。
綺麗なドレスを着た野田先生は、大人っぽく猛先輩と目が合う度に嬉しそうに笑っていた。
――野田先生の話知ってる〜?
――九条 猛先輩と付き合ってるって噂でしょ〜?
ドクンドクンと嫌な音がした。
興奮した様ないいものではない。
嬉しさからそのまま下へと落とされた様な感覚。
でも、あまりに素敵な演奏と苦しいその気持ちが混ざって、何だかよく分からない涙がポロポロと流れた。
笑い合う2人はお似合いで、その2人の演奏がずっと続けばいいのにとも思った。

