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その頃家で両親は……。
「桜子はまだやらん」
TVを消しながら、お父さんは言う。
『さくらだってもう、子供じゃないのよ? 彼氏のひとりやふたり出来るでしょっ』
私はそう言うと、お父さんは口をパクパクとさせてまるで金魚のよう。
「ま、まだ早い! 桜子にはまだ早いぞ! 付き合うなど認めぬ! 」
『ふふ、まだ付き合ってるって決まったわけじゃ……』
「付き合うことは認めぬーーーーーーー! 」
そんな事を両親がやり取りをしてるなんて知らず、私はバスの席に座っていた。
「××市民会館前〜。××市民会館前〜」
××市民会館で、コンクールが行われる。
そしてこの市民会館の中にある時計台の前で、コンクールが終わったら会う予定になっている。

