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新学期に入り、約2ヶ月ぶりの音楽室に入る。
2ヶ月も来なければ多少埃が積もってるかと思ったが、2か月前と変わらず綺麗な黒いグランドピアノがあった。
いつも通り鍵盤蓋を開けると手紙が置いてあって、俺より早く来て掃除してくれたのかなとか思う。
『 お久し振りです! 元気でしたか?
私は元気でしたよ。夏休みは楽しめましたか?
私は花火大会に行ったり、友達とお出かけしたり、家でぐーたら寝てたりしてました( 笑 )
九条サンも良ければ、夏休み何したか教えてください !
では、今日も素敵な音色待ってます
❀ 』
その手紙を読むと、名取川サンの顔が脳裏に駆け巡る。彼女が書いてくれたのかな、なんて手紙を書いてくれてる姿を想像する。
『 何笑ってんだ俺…… きっもい』
ふと頬が緩んだことに気づくと、手を口元に当てた。
今日は何を弾こうか、コンクールの課題曲がいいか……。いや、あれは来てもらってアリーナで聞いてもらいたい。

