3階の一番右角。301号室のカーテンが少し開き
一之瀬 旭が顔を覗かせる。

気づかず私は、病棟に背を向けて
ヘアゴムやリボンをどんどんと
結びつけている。

301号室の彼は
夜空に輝く月を眺め
しばらくして、カーテンを閉じる。

持ってきたものを全て木に結びつけた私は
少しずつ
ゆっくりと木から降りる。
上るときはへっちゃらだったけど
降りるときは少し怖い。

ドサッ
痛てて・・