魔王の甘い罠 【完結】

それから私は一之瀬君ちのハイヤーで、自宅まで送ってもらった。

車の中で、明日から入院するからつまらないだの退屈だの。
授業のノートは退院したら見せろだの
そんな普通のことを話した。

家について、運転手さんにお礼を言い、車から降りると、後部座席の黒い窓がウィーンと下がって

「おいっ」

と呼び止められた。

『ん?』

後部座席の一之瀬君に近づく。