私は無視して通り過ぎる。

「おい、桜っ!」

よ、呼び捨て?!
『話しかけないでっ!』


一之瀬君は、魔王スマイルを浮かべ
大股で近づいてきて
私の肩に腕をまわす。

頭をコツンと一之瀬君の肩に乗せられ

「逃げんなよ、肉食女」

と、耳元でつぶやき
私の耳を
ペロリと舐めた。