こ、こいつ・・

逃げようとすると

「動くな」

と、頭の上で一之瀬君がつぶやいた。




男子の話声と
複数の足音が、近づいて来る。




「見てんじゃねーよっ」

「あ、す、すいませんっ」




やがて足音も話し声も
遠ざかっていった。