「ふぅ~ん。ま、旭君ならいっか。
 でも、うちの娘を泣かせたら、
 承知しないわよっ」

お母さん、ちゃっかり一之瀬君の肩を叩いたりして。

「大丈夫です。やっと捕まえたんで。
 桜のことも、南沢さんのことも、
 大切にします。」

お母さんが、目を潤ませた。

「頼むわね。
 さ、行ってらっしゃい。
 気を付けてね」

「はい。」

私は分けも分からず
とりあえずお母さんに手を振った。

お母さんは
エプロンで目頭を拭きながら
手を振った。


・・・なんだろう
私まで、泣きそう