『・・・・・・』

「私が旭と付き合ってる頃は、喘息が今よりひどくてね。どっこも出かけられなかった。常に呼吸器持ち歩いて、もう心配で心配で。学校にも喘息のこと言わないから欠席扱いになっちゃうし。彼女としても、教師としても、いつも心配してたわ」

ミルクティーの氷が、カランッと音を立てた。

「旭は強がって見えるけど、本当はガラスのように繊細で、弱い部分を持ってる。小さいころからずっと病気と一緒に成長してきたから、いろんなことをガマンして、いろんなことを諦めてきたのよ。」

窓から差し込む光が早苗ちゃんを照らし、早苗ちゃんがいつもよりも数段キレイに見えた。

「でも、温かい心を持ってる。それは、旭が心を開いた人しかわからない」