「旭の喘息はやっかいだから。
 そりゃ、心配するよね」


”旭の”
と、早苗ちゃんは呼んだ。


「ね、旭。南沢さん、ちょっと借りていい?」

「は? なんで?」

『いいですよ』

「えっ? 桜いいよ。ここに居ろよ」

『一之瀬君。大丈夫。』

「ってことで。ちょっと借りるね。
 行こ、南沢さん」

『ハイ』