なんとか受付をクリアし、彼の病室に向かう。
足が・・震える・・

3階の一番右角。301号室。

部屋のドアの前で立ちどまる。
そっと耳を澄ます。

・・・声は、聞こえない。
誰もいないかな?
それとも、一之瀬君、寝てるかな。

家族がいるかもしれない。
もし居たら、時間を置いて出直そうと思い、
ゆっくりと、静かにドアを少しだけ開けた。

声を掛けようとして、
慌てて自分の口を、手でふさぐ。