「お前だけだから。俺を信じろ。

 運命が俺たちをジャマしようとしたら

 運命に逆らってでもお前を離さねぇから」



胸がいっぱいで、声が出せない。
一之瀬君の一言で、心の中のもやもやが
まるでろうそくの火を消すように
すーっと消え去った。

大好き。好き。だーーーいすき。

そんな思いを込め、力いっぱい一之瀬君に抱きつき、胸元に顔をうづめた。

一之瀬君はそんな私の髪の毛を、そっとそっと
撫でてくれた。


―――この人から、もう、離れられない