俺は徳平(とくへい)高校2年生の佐野 友嵩 (ゆたか)。

学校からの推薦で私立高校に入り、勉強に時間を使う生活をしてた。

まぁ、勉強ができて苦労することはないし、自分の生活に不満はなかった。

友情に関しても悩むほどでもなかったし、先生や親、そして近所の人達からも評判はよかった。

スポーツもそれなりにできた。

でも、何かが足りなかったんだ。

高校2年の4月。

俺は気づいた。

気づいてしまった。

俺に足りなかったもの。

彼女の存在に。