<6時27分>

参考書を開きながら電車に乗る。

よかった。今日もいる。

まだ早い時間帯で、空いてる電車のドアにもたれかかって外の景色を眺めている彼女。

特別素敵な景色じゃない。

でも彼女が加わるとモノクロだった景色に色が染まる。

俺はこんなガラじゃない言葉が思いつくほど彼女に恋をしていた。

そう。名前を知らない彼女に…。