生徒会の甘い罠

苦笑いせず真顔で私に話す松矢。


私だけが時が一瞬止まったような気がした。


でも、今の松矢の基礎がここから積み重なり始めたんだなあ。


「俺が言うのも失礼ですけど、お嬢さんリーチですね」


「…………何?リーチ?」


私はすかさず自分の腕を見つめた。


腕の長さはいたって普通なんだけど……。


「すいません、これから仕事あるのでこの辺で帰ります」


「え?あ……ありがとね」


「財布は出さないでください。出しますから」


「ホント⁉︎いや、これは私が」


「昔からお嬢さんにはびた一文出させるなと言うのが決まりですよ」


「それもう古いよ。私ももうじき大人なんだし……今日は折れるけどさ」


おじいちゃんがいる前では言えないけどさ。


大人の仲間入りする前にやらなければならないことが増えたなあ。


おじいちゃんの落ち込む姿見ることになるけど、歯をくいしばって乗り越えないとね。