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ここまで、スムーズに来れたと思ったのに、何だか雲行きが怪しくなってきた

使いの人『ーーーこれより先は、狐の君のみのお目通りとなります!』
サク【何かヤバくなったら、すぐ、これ使って呼んでね!!】
サクは小声でこっそりと、連絡蝶を私に預けてくれた

私が、責任者とでも思われたのか、、、私以外は本殿の外で待ちぼうけである


蓮の簾をスっと両脇に立っている背の高い、青髪と赤髪の2人の男性が引くと、

清十郎『入れーーー』

中から美しい男性の声がした

塔子「失礼しますーーー」

生唾をゴクリと飲み込んで、そっと中に入った途端

塔子「!?ーーー」

フワッといきなり、抱きしめられるーーー

塔子「な、何すんのよ!!」

ドンッと私は男の身体を押してから、後ずさりしたーーー

清十郎『愛しい、狐の君ーーー、あぁ、なんて馨しい高貴な香りなんだっ!!!さぁ、この完璧なまでに美しい僕に、、、君の本当の名を名乗ってごらん、フルッネームで』

ーーー愛しいって、、、!?フルネーム何か変な言い方してるし、、、怖っ、この人怖っ!!

塔子「何か、勘違いをされているようですけど?」

目の前の男は、私を見て、頬を染めているーーー

清十郎『エプロン姿で料理を振る舞い、幸せそうな笑顔で微笑む君を、この目でひと目見て、僕は一瞬で心奪われたんだ!!』
パシャリっ、と、男は、自撮り棒で自撮りするーーー

『君は、この僕の花嫁になる!!あぁ、君の名を、フルッネームで、今すぐ、知りたいっ!!』

いや、だから、フルネームだから、、、なんなのっ!この人!


自信たっぷりなこの男は

綺麗なサラサラの黒髪、黒い瞳の奥にはほの紅い光がさし、夜鬼と同じ位の高身長で、こちらも、超がつく程のイケメンなんだけど、、、何か、私この人苦手だわ、、、

ーーー?薔薇?薔薇が彼の周りに見える?
何故なのかしら?幻覚?


この人が、、、清十郎ーーー?
確か、お山で1番偉い人である、僧正坊様の息子の1人とかって、、、カルがいってたな。。。