塔子「ごめんなさい!じゃあね!!」

清十郎を振り払って、饅頭だけ届けて帰ろう!そう思って私は走りだした
清十郎『まっ!待つんだ!塔子ちゃん!』
清十郎の声は、雑踏にかき消され、私の耳には届かなかった...
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路地に足を踏み入れたら、楽屋、と書かれた看板を見つける
ひとけが妙にない…
まぁ、楽屋裏ってこんなもんなのだろうか…行ったことないけど

『...泥棒』

ポツリと背後から聞こえた一言...

後ろに、気配を感じてふりかえろうとした途端
意識が朦朧とする

私は、眠りの世界に落ちていった

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『こんなにずっと傍にいても、あなた達には、私の本当の気持ちが分からないのね』

悲しそうに彼女は言った

天女の様な羽衣がヒラヒラとオーロラに光を帯びながら輝く
美しい姫は、一筋の涙を流した

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目を覚ましたら、色とりどりの形が浮遊した不思議な空間ーーー沢山の色んな種類のお人形達が私を囲んで、一斉にこっちを見ているのに気づく

塔子「…、、、」

妙な違和感を喉に感じた、私の喉にくっついて離れない一体のカーボーイ人形
声が出ないーーー

『封じさせて貰ったわ
喋れないでしょ?クスクス…』