ひやり、

としたものが太ももにあたった。



手……?


私の本能は、逃げろ、といっている。


なのに、体がうごかな……




ガラっ


ドアがあいて、


私と宇野先生はそっちをみた。


あ、橘先生。


若くて、女子からも男子からも人気者の。

イケメンの爽やかなひと。


「なに、してんすか?」


「……っ、」


助けて、って言いたいのに。


それなのに。


声が、でないーー。