「あー、えっと、…うん、。言うね、私から。」

気を使わせてはいけないなっと思った私は切り出す。


中野くんがうん、とうなづく。





「橘先生が、好き……。」


ひゅるる、と風が吹いて、

重い沈黙。



手にはじんわり汗をかき、

心臓がバクバクいっていた。


本人に言ったわけでもないのに、

口に出すって、こんなに緊張するんだ…。



「そっか。」


静かな空気を変えたのは、中野くんだった。


「すごい、意外だな~」


中野くんは、へぇそうか、とひとりごとのようにつぶやいた。


「俺、応援するから!いいとおもうよ」

中野くんは、元気に笑って、そういった。


どこまで、優しい人なんだろう。



きっと、この人と付き合えば─────。


そんなことを考えるバカな、私もいた。