「結城さんは、部活に入らないんだ?」

中野くんはそう質問してきた。


「あー、うん…、ちょっとめんどくさいかな!」

アハハっと笑ってみせると、

中野くんも、そうだよなー、と、笑った。



顔を、前に向ける。


……あ。


どく、どく。


私たちが出ようとしている、校門のところから橘先生がはいってきていた。


どこかにいってたのかな。


手元には、コンビニの袋。

近くのコンビニにでも、行っていたのだろう。



このままだと、私たちと橘先生はすれちがう。



まって。


このまま、中野くんといたら────。



誤解される!!

そう思ったけど、どうすることもできなくて、私は前だけを見据えた。



先生も、こちらを見ていた。



見ない、で。


「ハハッ」

と、かわいた笑いがきこえたような気がした。