次の日。


いつも通りに、

髪の毛をとかして、いい匂いのオイルをすこし、つけて。

頬には薄くチーク、少しだけマスカラ、色付きのリップ、と、少し薄めの化粧をほどこす。

制服を正して鏡に映る、じぶんをみる。



いつもと、同じ恰好なのに、

いつもより支度に時間がかかったなぁ。


うぅ……

恋ってやつは、めんどうだ。

わたしは、鏡の前の、

宝箱にはいっている、
金のピンをとって、髪の毛にさした。




学校につくと、私はまっさきに、ユノのとこへ向かう。

自分の机のいすに、座るユノのまえにたつ。


そして小さく息を吸い込む。

「ユノ!あのね!……」

ユノは柔らかい笑みで私の話をまっている。


「橘先生が、好き……。」


私が絞り出すようにいうと、


ユノはパチくり、とまばたきをして、固まってしまった。


「へ……?」

ユノは驚いたように私を見て、

そのあと、


満面の笑みで、

「おめでとう!」

と言った。

目をキラキラと輝かせて、

なんで?なんで?

っと、急かすように聞いてくる。


あーぁ、愛おしいなあ。

私はフワフワとユノの髪をなでて、


橘先生とのことをすべてはなした。