「結城、おい、結城。」


ん、?


頭の上で声が聞こえて顔を上げる。


ん。

いつのまにか、ねてた、かな。


って、……へ?!?


ガバッと顔を上げると、

1時間目の授業がはじまってて。


橘先生が、授業にきていた。


うわぁぁぁ。

びっくりした。


「おれの授業で寝るなんていい度胸だな?」


橘先生はニカッとわらう。

「あとで、仕事手伝えー…じゃあ、みんな35ページあけてー」


先生は、そんなことを言って、

授業をすすめた。


んー。

喋れる、チャンス?

寝たのは、間違いだったけど、


まぁ、いいか。





「せんせ?」

プリントを、コピー室にもってこい、と言われたのでもってきた。


チラッとなかをのぞくと、


橘先生が真面目な顔付きで、

ノートのようなものをみつめてた。


「先生?」


よびかけると、ハッ、として橘先生はこっちを向いた。


「それ、なんですか?」

私は、そのノートをゆびさし、聞いてみる。


「生徒の、成績つけるための日記帳みたいな、……かんじかな?」

すこし、照れたような、笑みを浮かべて橘先生は言った。


ふぅん。

すごいんだ。


なんか、

おおきい、。

あったくて、

やさしくて、

安心?

できるっていうのかな。


あー、もうだめだな。






「先生……」

「んー?」





「ギュ、ってしてほしい。」