「ふふふ、かわいい。…ね、名前なんていうの?」

夕妃先輩にそう聞かれて、わたしは、

「結城 蘭、です。」

と答えた。

「へぇ、蘭ちゃんか〜、可愛いなぁ。あ、私は望月 夕妃です、よろしくね。」


夕妃先輩は、可愛らしくニコッとほほえむ。

「じゃあ、またね」

夕妃先輩はヒラヒラと白くて長い手を、私にふった。


一応、相手は先輩だから、ペコリと礼をした。


うん、可愛かった、

私もお化粧とかしたい。

けど、私はまだまだお子ちゃまだもんなぁ。


赤いリップとか、ね。


ところで、

橘先生とはどういう関係なんだろう。


と思ったけど、

なんでか、今日はまぁいっか、と思った。


わたしは、真っ青な空をみあげながら、

歩いて帰った。