「すいません!」

私はパッと顔を上げ、

あやまる。


「い、いえ─────「あー!!!!」


リナがさけんだ。

目の前にいる、私がさっきぶつかったひとをゆびさして。


う、わ。

美少女だ……。



白い透き通るような肌に、細くて長い手足。

ぱっちりとした大きな目は長いまつげでふちどられ。

形のいいプルンとした赤色の唇。

胸くらいまでのばした、ふわふわのウェーブのかかったコーヒー色の髪。

スラリ、とスタイルがよく、

モデルさんみたい、って、思った。


「あの、転校生のかたですよね?」
リナがすごおい、ってキラキラと目を輝かせながらきく。

その人は、こくんとうなづいた。


この人が転校生。


全然……
デマじゃないや。

って!

私、ぶつかったんだ、


「あ、さっきはすいませんでした。」

私はもう1度、ぺこりと礼をする。


するとその人は、

「う、ううん…大丈夫…こちらこそごめんね。」

と俯いてフルフルと首をふった。

横にいる、その人の友達何人かが

だいじょぶ? はやくもどろーよー

と、言っていた。


「じゃあ、またね」

その人は、可愛らしくニコリ、とほのかに微笑むと、友達と一緒に教室のほうへもどっていってしまった。


わー、
かわいかった!


あ、名前聞いてない。




私たち、いつめんも教室にもどった。