儚いオモイビト。

す、す、す。

シャーペンの音が耳に響く。


「やばぁい」「なぁ、昨日のさ…」「わかる!ねー!」

人の声。


カッカッ、

と、黒板の音。


フッと顔を上げると、

数学の先生と目が合った。


……こわ。


私のほう、みてた、?


50代くらいのオッサン先生。


私にだけ、なぜが優しく接する。


みんなは、

「顔が可愛いからひいきだ、」なんてゆうけど、可愛くもないし、贔屓されてるとは思えない。


ああ、寒気がしてきた。


胸くらいまで伸ばした髪の毛は、毛先までつるん、と天使の輪をえがいていて、ふわりふわりといい匂いがした。


有名なところのシャンプー。


なんの、不自由もなく暮らしてるけど、

不自由がなさすぎてこわいくらい。


素敵な友達と、優しい親。


いたって、普通の高校2年の生活を送っています。