「あ、茉優。どしたの?」


「咲雪、手伝うよ」


茉優はそう言いながらあたしが反応する前に持っていたノートのほとんどを持ってくれた。

あたしとしてはただただ礼を言うしかない。



「ありがとう茉優。ごめんね」


「いいよ。悪いのは病気の咲雪にこんな仕事を押し付ける沼上センセなんだから」



茉優は、あたしが白血病だということを知っている。



昨日の夜、あたしが家族から病気のことを知らされた後、精神的にかなり落ち込んでいた時に茉優が学校を休んだあたしを心配して電話をかけてくれた。


その電話で、あたしは初めのうちは病気のことは曖昧に誤魔化していたけど。

茉優の優しさにほだされ、つい洩らしてしまった。


あたしが慢性の白血病であることを。



その時、電話越しにあたしと一緒に泣いてくれて、励ましてくれた茉優。